行草書巻・その二(1)董其昌を臨書する
1.初祖賛

釈文:「其二 龍水像
初祖賛
廓然無聖。關捩無
多。」
書き下し文は「龍水像 初祖賛
廓然(かくぜん)として聖無し、
關捩(かんれい)に多無し。」
鑑賞:「關捩」関捩子。ねじ。転じて、比喩的に物事を動かしたり変化させたりする原動となるものをいう。
また仏語。禅宗では言葉で表せない奥義。『正法眼蔵』(1231−53)陀羅尼「この関捩を正伝すること、必然として大善知識に奉覲(ぶごん)するちからなり」
「陀羅尼」とは一種の記憶術で、一つの事柄を記憶することによってあらゆる事柄を連想して忘れぬようにすることをいう。
参考文献:日本大百科全書
董其昌集 二玄社