蘇軾の細楷を臨書して(3)懐素自叙より

3.ついに西のかたに

釈文:「遂擔笈杖錫。西遊上
    國。謁見當代名公。錯綜其事。」

書き下し文は「遂に笈を担い錫を杖つき、西のかた上國に遊び、當代の名公に謁見し、其の事を錯綜するに」

鑑賞:「擔」は「担」の旧字。「當」は「当」の旧字である。
原文は細太が自然でゆるぎない運筆である。「西」や「上」のように画数が少ない字は横角に強い書線がある。

軽やかに書いているようにみえる「遂」では、「辶」の終画がのびやかで字を大きく見せている。

参考文献:蘇軾集 二玄社