蘇軾の行書・榿木詩巻を臨書する(4)杜甫「堂成」から
4.日光をさえぎってくれる
釈文:「榿林礙日吟風葉」
書き下し文は「榿林(きりん) 日を礙(さえぎ)り 風に吟ずるの葉」
現代語にすると「榿林は日をさえぎって、その葉は風が吹けば詩歌を口ずさむ。」
鑑賞:「礙」は形成文字で、石+疑(音符)。疑は人が思いまようさまで、石を前にして立ちつくすさまから、さまたげる、さえぎるの意味をあらわす。石偏の斜めへ突き出した筆の勢いに対して、次画の口を柔らかく書き、緩急と強弱に見ごたえがある。
参考文献:蘇軾集 二玄社