前赤壁賦を臨書して(7)蘇軾の意を汲む

7.空のように澄み切った

釈文:「撃空明兮遡流光。渺ヽ兮
    余懐望美人兮天一方。」

書き下し文は「空明に撃ちて流光に遡る。渺ヽ(びょうびょ
 う)たり余が懐(おも)い、美人を天の一方に望む、と。」

鑑賞「空明」空のように澄み渡った水あかり。または水に映る月の光。
「流光」水流に月が映り輝くこと。「渺ヽ」遙かに遠い様子

現代語にすると「(桂のさおや蘭のかじで)水に映る月の光をくだき、輝く水面を遡る。私の思いは果てしなく美人をはるかな天のかなたに望む。」

参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社