弟子の黄庭堅はひたすらに(10)松風閣詩巻から
10.張侯はいつ
釈文:「張侯何時到眼前
釣臺驚濤可晝眠」
書き下し文:「張侯 何れの時か 眼前に到らん
釣台の驚濤 昼眠す可べし」
鑑賞:「釣」の一画めの伸びやかであることは、次のたっぷりとした墨量とゆとりある運筆があっていきてくる。
一方で「驚」は渇筆を用いて下部の「馬」が駆け抜けそうな疾走感を有している。
現代語にすると、「張侯はいつ目の前に現れるのであろうか。釣台では荒れ狂う波の中で昼寝して」
参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社