晴れも曇りも定めがない空に(3)建礼門院右京大夫集を書いて
3.晴れも曇りも
釈文:「夜もすがらながむる日、かき曇りまた晴れのき、ひとか
たならぬ雲のけしきにも」
選字:「夜も春から奈可無流爾可き久茂里ま多
は連の記日と可多ならぬ雲乃け志支に毛」
大意は、「一晩中ひたすら空を眺めていると、雲がかき曇り晴れ
の定まらない雲の景色にも」
自然の景色を描写しながらも、自らの心情に重ね合わせて
歌を詠む作者です。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社