ゆれ動く心を胸に抱きつつ(5)建礼門院右京大夫集より

5.遠く都を眺めると

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「はるかに都のかたをながむれば、はるばるとへだたりた
    る雲居にも」

選字は、「者流可爾都のか多を那可無れ者ヽる盤
     類と遍多ヽり堂る雲井爾毛」

大意は、「遠く都の方角を物思いにふけりながら眺めると、はる
     かに離れた空の有様につけても」

鑑賞:「雲居」はるかに遠く離れていることを比喩的にいいま
    す。また、宮中を指すこともあります。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社