遠いところへ旅に出ようと(2)建礼門院右京大夫集を書いて

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「帰るべき 道は心に まかせても
    旅立つほどは なほあはれなり」

選字は、「可倍る遍支三地盤こヽ露爾ま可勢て毛
     旅多つ本とは奈奉阿者連那里」

歌意は、「帰ろうとすれば、いつでも帰れる道でも旅立つ時は
     しんみりとするものです。」

鑑賞:この時代の「旅」は必ずしも遠くへ出かけることではな
   く、住まいを離れることを指しました。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社