建礼門院を訪ねて歌を詠む(3)建礼門院右京大夫集から
3.たとえられない美しさが
釈文:「花のにほひ、月の光にたとへても、ひとかたにはあかざりし
御おもかげ、あらぬかとのみたどらるるに」
選字は、「花の爾ほ飛月の光二多と遍て毛ひと
可多に者あ可佐里し御おもか希阿ら
ぬ可と能美多堂ら流ヽ爾」
大意は、「春の花の美しい色つや、月の光に喩えたとしても、一方だけでは十分にその
美しさを表しているとは言い難い、御面影も別の方かと昔が思いだされることで
す。」
鑑賞:「花のにほひ、月の光」と対句になっています。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社