韓鵬に寄す(5)七言絶句を臨書する

5.近くに姑射の山が

陳鴻寿筆 祥香臨

羨爾城頭姑射山

書き下し文は、「羨む 爾(なんじ)が城頭 姑射の山」

解説:「城頭」 町の近く。
   「姑射山」 別名貘姑射山。山西省平陽にある山、仙人が住むと
   いわれます。『荘子』逍遥遊篇に「貘姑射山に神人有りて居る。
   肌膚は氷雪の若く、淖約として処子の若し」とあります。

現代語にすると、「君が治める地域の近くには「姑射山」があるのだね。
         まことに羨ましいよ。」

政治と自然には境がなく、心穏やかに政を実践している手紙の相手、韓鵬
に宛てて作者は、神のような行いと称賛しています。また、作者が仙術を
研究していたということが窺える漢詩となっています。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社