韓鵬に寄す(4)七言絶句を臨書する

4.賢明な人へ

陳鴻寿筆 祥香臨

寄書河上神明宰

書き下し文は、「書を寄す 河上 神明(しんめい)の宰」

解説:「河上」は黄河のほとり。韓鵬の任地を指すが、「河上公」にも
        かけています。

        漢の文帝の時に黄河のほとりに河上公という隠者が住ん
        でいて『老子』を愛読していたが、実は仙人だったとい
        伝説をよりどころとしています。

   「神明宰」は神のように賢明な県令。漢の班伯は定嚢の太守となった
        とき、盗賊を十日間で全て捕らえたため、神明と称された。
      
 このように韓鵬を称えていますが、書の上でも「神」に字をひときわ大き
 く終筆を伸ばして際立たせています。

  参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明著 二玄社