どうすれば難しい衛の君主を変えられるか(2)荘子を今書く

2.勝手気ままな君主

荘子 祥香書

 「因案人之所感、以求容
  與其心、名之曰日漸之
  徳不成


書き下し文は、「因りて人の感ずるところを案(おさ)えて、以て其の心を容與せんことを求む。これを名づけて日漸の徳も成らず」と曰う。

大意は、他人の感情を抑えつけて、自分の心をのびやかに勝手気ままにしようとしている。こういうのを毎日進めるべき徳さえも成就しない。

鑑賞:左右の動きよりも、漢字の大小により流れを出しています。「以」では大きめに書いて前の文字を受けています。その前の「感」は抑え気味にして楚々とした風情です。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店