宮仕へがなつかしく(4)建礼門院右京大夫集を書いて
4.思い出の管弦あそび
宮中での琴を奏したことなどに想いを巡らせます。
「宮にて、つねに近くさぶらふ人の笛にあはせなど遊びしこと、いみじう恋し。」
選字は、「宮爾弖徒年二ち可佐ふら
布人のふえにあ者せなと遊ひしこと
いみしうこ飛志」
意味は、中宮の御所で、お側にお仕えしておられる方々と一緒に管弦を奏して、楽しく過ごしたことが、とても懐かしく思い出されます。
以前、笛や鼓などを興にまかせて演奏し、夜がしらじらと明けることさえ忘れてしまったという場面がありました。宮人たちの優雅なお遊びは、たしなみでもあり宮中での暮らしに欠かせないものだったのでしょう。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社