「西江月」蘇軾を(3)董其昌に倣う

3.かつての戯馬台は

西江月 董其昌書 祥香臨

當年戯馬會東除
 今日凄涼南浦


書き下すと、当年の戯馬 東徐に会す
      今日 凄涼たり 南浦

「戯馬」:戯馬台。徐州市の中心部の戸部山頂上にある。紀元前206年項羽が兵馬の訓練を視察するために建てたもの。

「會」:「会」の元の字。一堂に会するの意。
大意は、かつて東除の戯馬台に多くに人々が集い、宴が開かれたということだ。今では人気もなく、ひんやりとしている。

 往年の歴史を思い起こさせ、そこに集った人々が眼前に浮かびます。でも、今は誰もいない、寂寥感が漂うさまです。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社