夫を恋しく偲ぶ歌(4)建礼門院右京大夫集を書く
4.感動的だったらしいお祭り
臨時のお祭りに参上できなかったのが、残念ですが。
釈文:「さしも心にしむかへりたちの御神楽もえ見ざりし、くちをしくて、御すずりのはこに、薄様のはしに書きつけておく」
選字は、「散し毛心に四ん可遍り多
遅農御神楽もえ見さり四く遅越し
九て御すずりのはこに、薄様のはしに
書きつ希て於く」
意味は、あれほど感動的な賀茂神社頭の祭りが終り、奉仕した勅使・舞人などが代理に帰って、もう一度天皇御前で歌舞を奏するのです
が、それも見られなかったのが残念でした。中宮様の硯箱に薄様の端に書いて入れました。
心に触れたことを書きつけて、歌を詠む様子が浮かび興味深いものがあります。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社