夫を恋しく偲ぶ歌(3)建礼門院右京大夫集を書く

3.感動的だったと聞く賀茂の祭り

建礼門院右京大夫集 祥香書

話は変わりまして、賀茂の祭りに行けなかった建礼門院右京大夫が残念だったわという詞書です。

「安元といひしはじめの年の冬、臨時の祭りに、宮の上の御つぼねへ
 のぼらせ給ふ御供に、さはあることありてえまゐらで」

選字は、「安元とい日しは志免の年乃冬
     臨時の祭爾宮の上の御つほ年への本ら
     せ給ふ御供爾さはること阿里てえ
     ま井らて」

大意は、安元元年(1175)の冬、賀茂神社の臨時の祭りがありました。中宮が参上されるお供に差し障りがあり、参ることができなかったのです。

詞書では、漢字を用いて意味がと追うように心がけました。
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社