涙の露ぞ(3)建礼門院右京大夫集
3.小松のおとどを失って

釈文:「小松のおとど失せ給ひてのち、その北の方の御もとへ、十月ばかり聞ゆ
選字は、「小松のお登ヽうせ多まひ弖
の遅曽のきた農方乃御もと
遍十月盤可り聞ゆ」
「小松のおとど」:平重盛は治承三年(1179)五月二十五日、四十三歳で亡くなりました。
大意は、内大臣重盛がお亡くなりになってから、中御門中納言家成女(北の方)のもとへ、十月頃にお悔やみ申し上げました。
つらい気持ちの折には、お歌を交わして支え合う様子が伺えます。
参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社