気持ちを軽く(1)リラックスして書く
1.楽な気持ちで
村上三島氏の書かれた「興福寺断碑の臨書」の中で初学の人には、興福寺断碑を臨書してあげて、習ってもらうと述べた後、
『最初は、私の臨書したこのようなかたちにはとてもならぬでしょうから、この姿の通りに書こうとしないで、線が自分の思う太さで、思う方向に、さらっと引ければよい。そんな楽な気持ちでやってください』という。
『形や線の組み合わせは、どんどんたくさん書いているうちにまとまってきますよ』ともいう。『ともかく平気でやることですね』『平気とは第一に精神的に緊張しないこと、肉体的にも身体中どこにも力を入れないことですよ』
はじめの頃は力まずに書くことはなかなか難しいことです。また、力を抜いて書こうなどと考えてしまっては、かえって力が入ることがあります。