大字を書くときの姿勢(3)床・畳の上で書を書く

3.中腰で書くとは

中腰で、立って書くことは、揮毫会などではよく見られる光景です。

「中腰での立ち書きは、条幅ないし長条幅を和室の畳の上で書く姿勢である。・・・戦前に川谷尚亭や高塚竹堂が試みていたともきく。大字で流動的な早い書き振りのものには適している。さらに心身の重みを筆端に乗せやすい、筆鋒を立てて書きやすい利点を持っている。」*①

こうした利点がある一方で、練習の時には中腰の姿勢に気をつけていただきたことがあります。

それは、中腰での立ち書きは、農作業でかがむ作業が主体だった姿勢にも似て、腰痛の原因になりかねない点です。特に長い時間にわたって書作に専念することは、できるだけ避けて体を守りたいものです。

 出典:用筆の基本技法 森光雲 木耳社