鳳が翼を広げるとき(1)荘子を書く

1.風の集まりが十分でなければ

 「風之積也不厚、
  則其負大翼也
  無力」

読み下し文は、「風の積むや厚からざれば、即ち其の大翼を負するや力なし。」
内容は、(水と同じように)風の集まり方がじゅうぶん多くなければ、そこに大きな翼をのせるのには堪えられない。

鳳が大空を舞おうとしても、その下に大きな空間がなければ、翼をその上に載せることはできないわけです。舟を浮かべるときに、たまっている水が多くなければならないように、空気の厚みも必要となります。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店