とらわれのない自由な境地に遊ぶ(1)荘子を書く

1.北冥に魚あり

今回から『荘子』を描いていこうと思います。『荘子』に出会ったのは、学生時代です。その伸びやかな思想に空を舞うような爽快感を覚えたことが思い出されます。

荘子は老子とともに称される道家の思想家です。現行本は内編7、外編15、雑編11から成り、万物は斉同で生死などの差別を超えることを説いています。

最初の「逍遥遊篇」は、とらわれのない自由なのびのびした境地に心を遊ばせることです。

 「北冥有魚、其名為鯤、鯤之大、不知其幾千里也」

北冥に魚あり、その名を鯤と為す。鯤の大いさ其の幾千里なるかを知らず。
文字は、主に草書で書いていますので、読みにくいかもしれません。草書は、現代の日本ではあまり使われなく成りましたが、仮名を書く上では欠かせないものです。

 参考文献:「荘子」 金谷治訳註 岩波書店