御所の近くが火事に（3）建礼門院右京大夫集

3.警固の姿はご立派で

四行目の後半からですが、
選字は、「大将をはじ免
　　　　　て衛府のつ可散の希志支登毛
　　　　　心々爾於もし露久見え志二

　　　　　おほ可多のよ能さわ幾毛本か爾
　　　　　八可流こと阿らしとおほえ
　　　　　し裳王数連可多志」

文字を用いる場合、同じ位置に同じ字が重ならないようにすることは当然ですが、複雑な文字の形が並ぶと、うるさく感じます。ここでは、「し」を効果的に配置し、簡素な空間を作ることで余白がいきるようにしています。

よく練った用字も見応えがありますが、動きながら次を書いていくスタイルで進めています。行末は、字の向きが右を向いたり、左を向いたりと変化をつけています。