菊合のころ詠む(4)建礼門院右京大夫集

4.御兄弟の見事さ

建礼門院右京大夫集  祥香書

平家一門の栄華がこの上のないものであったころなのでしょう。

 選字は、「おなし於とゝの大臣農
      大将爾てよろこ日申しゝ
      多万ひし二お登うとの右大将
   
      御供し多まへり志いきほ飛ゆるゝ
   しく見え志可八」

「大臣」、「大将」「右大臣」や「御供」などは漢字を用いています。現代では、漢字かな交り文が主流です。仮名に使われる文字も、一音に一文字が当てられているので、意味が限られています。

ただ、ほんの少し前まで、昭和の時代にはこうした仮名文字、変体仮名は使われていて、お手紙などにも書かれていました。書文化として、残していきたいものです。

 参考文献:建礼門院右京大夫集 新潮社