「月よみの光を・・」良寛の和歌(3)

2. 良寛の歌論とは?
上杉篤興の「木端集」中に「歌の辞」と題する文があります。
良寛の歌の特色として四点をあげています。

一)堂上歌風の排撃
二)万葉集風を主とする
三)情緒の素直な表現
四)内面の芸術

一)よき歌
「よき歌よまむとするはわろし。おもしろき歌よまんとするもわろし。
 歌の中にはよきもやさしきもあるなり。」*①

と、良寛が述べています。
当時を支配した趣向や技巧を凝らした風潮を否定しています。平安時代より、よき歌とは、そのままの情感を詠むよりは様々な言葉の技巧を用いた桂園派などが主流だったからです。

てらいの無い素直な歌を詠まれた、良寛ならではの考えを述べていると思います。

                     *出典:①良寛歌集 渡辺秀英

良寛書   祥香臨