燦然と輝く行書、蘭亭叙(5)

5.字画の流動

蘭亭叙  神龍本   二玄社

日本語訳:「(死生を一と見るは虗)誕で、長命も短命も一と見るは妄と言うことを知っている。今日から昔のことを歎嗟するように後世に至らば人の亦今日の事を歎嗟することなお吾のごとくであろう。

かなしいかな、故にこの蘭亭に集会した人を列叙し、その作る所の詩を記録することにした。世に前後の殊別、事に古今の差異はあるが、その懐を今に起こすという点はその到
(むね)を一にしているではないか。後世に至って覧る者は、またまさにこの蘭亭の叙に
感懐を起こすであろう。」
                        墨場必携 P972 大文館書店

2008年7月15日から9月15日まで、江戸東京博物館において「北京故宮書の名宝展」の
中で、この王羲之「蘭亭序」が日本で初めて公開されました。この時に大勢の人々が列を
成して、この名品を一目見ようと身を乗り出していたことを思い出します。

まさに点画の飛動は龍のごとく、鮮やかでたった今書いたばかりのようでした。
いつ見ても、感動がよみがえるまさに天下の逸品といえるでしょう。