読みにくいかな古筆を読んでみる(2)
2.用例 Example
早いもので、すでに立春が過ぎ、暦の上では春となりましたので、
春の歌を読んでみたいと思います。
色よりも香こそあはれとおもほゆれ たが袖ふれしやどの梅ぞも
(古今和歌集 読み人しらず)
と、現在は読むわけですが、平安時代には上記のように書いていました。
ちなみに、こちらは関戸本古今集を臨書したものです。
解読しますと、
『いろよ利裳可こそあ者れ爾 面吠れ
堂可處て婦連しやとのむめ所尤』
(爾は『に』と読み、関戸本筆者が書き間違えたと思われます)
なかなか難しいということがわかります。こうして、書いていると、
何故このような書き方をしていたのか?と疑問が湧いてくると思います。
そのことについては、次回に触れることとします。