かな書道っておもしろい?(5)
これまでのお話でいくらか、かな書道に興味を持って頂けましたでしょうか。
今回は、濃淡についてです。
5.濃淡 Tone
作品をご覧になると、墨の濃い所と薄い所があることに気づくと思います。
もしくは、潤渇ともいい墨がたっぷり入った所(通常は始めと終句が多いの
ですが)と、かすれがあり、墨が少ない所があります。
その濃淡の変化に、遠近感や立体感を見ることができます。
書き手によってその変化の度合いや位置は異なります。
墨の色の変化というと、墨は黒一色ではないかとお考えの方もおられるで
しょう。
固形墨には製法によって、松煙墨と油煙墨があります。それを水と共に硯で
磨り筆に墨をつけて、和紙に書くことで表れ、多彩な色を持つようになるの
です。
『墨に五彩あり』と言われる所以です。