たちばなの花をとり出して(3)和泉式部日記から

3.これをもって行き

釈文:「『これもて参りて、いかが見給ふ、とてたてまつらせよ』とのたまはせつる」とて、たちばなの花をとり出でたれば」

選字は「これ も傳参る利弖い可ヽ見給布とて多亭ま徒ら 勢よと能多万はせつる登天堂地者奈の花 を度り出弖堂れ者」

鑑賞:「これ」は後にでてくる「橘の花」をさす。

大意は「これをもって女のところへ参上し、いかがですかといって差し上げなさい。とおっしゃいました。と橘の花をとり出した。」

参考文献:和泉式部日記 和泉式部集 野村精一校注 新潮社