蘇軾の行書・榿木詩巻を臨書する(1)杜甫「堂成」から
1.堂成とは
杜甫の「堂成」の詩を書き、識語を加えたものが「榿木詩巻」である。「堂成」は杜甫が建てた草堂の周辺の様子を詩に詠み、穏やかに描写している。
蘇軾は蜀の出身で、草堂のまわりに植えられた榿の木の性質をよく知っていた。郷土への愛着と杜甫への敬慕から書いていると思われる。
草堂は現在の四川省成都市青羊区草堂路と考えられる。榿の木がもたらす木陰に風があたれば葉が吟じるだろう、と詩の世界が展開する。
参考文献:蘇軾集 大野修作解説 二玄社
杜甫詩 漢文委員会