終わりのない無限の世界に遊ぶ者とは(1)荘子を書く

1.列子は風に乗って

荘子

 「夫列子御風而行、冷然
  善也、旬有五日而後反」

読み下し文は、「夫れ列子は風に御して行き、冷然として善し。旬有五日にして而る後に反(かえ)る。」

そもそも列子は風に乗ってかけめぐり、軽妙でよい。十五日がたって風が変わると戻ってくる。

「列子」は、戦国時代の思想家で老子と荘子の仲介者とも言われ、道家の傾向を持つが、詳細は不明である。

人は何か不自由を感じると、鳥のように空を飛べたらどんなにか自由だろうと夢想する。
列子は風に乗って自由なようだが、まだ足りないところがあるという。それは何か、次回に譲りましょう。

 参考文献:荘子 金谷治訳注 岩波書店