辯才老師へ贈った詩を臨書して(1)蘇軾の書

1.辯才老師とは

元祐五年(1090)杭州に在った時の蘇軾の作。辯才老師」は僧元浄(字は無象、1008〜88)。杭州附近の人で、長く西湖の西にある上天竺寺に住し、高僧として慕われ帰依する人が多数いた。晩年は詩題に言うように、広州の市街から南西約六kmにある泉「龍井」に近い寿聖院に隠棲した。

釈文:「辯才老師退居龍井。不復出入。」

書き下し文は「辯才老師 龍井に退居し、復た出入りせず。」

鑑賞:蘇東坡の日常的な筆づかいがかいま見られ興味深い。

参考文献:蘇軾集 二玄社
     蘇東坡詩選 山本和義選訳 岩波文庫