梅の香りが漂う夜にひとり(3)建礼門院右京大夫集を書いて

3.さしさわりができて

建礼門院右京大夫集 祥香書

釈文:「さしあふことありてとどまりぬ。今宵にてあらまし
    と思ふ夜、荒れたる家の軒端より」

選字は、「沙志あ布こと阿利て登ヽま梨ぬ
     今宵爾て阿らましと思ふ夜荒れ多る
     家の軒端より」

大意は、「差し障りがあって取りやめになってしまいまし
     た。約束の夜は今宵であったはずと思う夜に、
     荒れた家の軒端から」

参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社