宮仕へがなつかしく(2)建礼門院右京大夫集を書いて

2.中宮さまはうるわしく

建礼門院右京大夫集 祥香書

中宮さまの面影が目に浮か美、懐かしさで胸がいっぱいになっていく作者は、
 「『あさましく、かくてもへにけり』とかきくらし恋しく思ひまゐらせて、

    恋わぶる 心をやみに くらさせて
    秋のみやまに 月はすむらむ」

選字は、「阿さまし久かくても遍耳介里登可爾九羅
     しこ悲しく於も日まゐらせて」

    こ悲わ布流こ路をや三爾久羅佐せ
    弖あきの見やまに月者春むらん」

あきれたことに、中宮さまにお目にかからなくても月日は流れてしまうと思うと、悲しみが寄せてくるようです。
 お慕いしている気持ちが深く、私は思い煩っているけれども、宮様は相変わらずお美しくみやまで光り輝いていることでしょう。

「月」は中宮さまを表し、「秋のみやま」は、「秋の宮」から連想しているのでしょう。何重にも意味をかけることで、想像力をふくらませることができます。
 参考文献:建礼門院右京大夫集 糸賀きみ江校注 新潮社