「蜀相」諸葛亮(4)杜甫の詩を書く

4.涙で袖に濡れる

蜀相 杜甫 祥香書

 「出師未捷身
  先死長使英
  雄涙満襟


読み下し文は、「出師 未だ捷たずして 身先ず死し
        長えに英雄をして 涙 襟に満たしむ」

意味は、孔明は、軍を出し未だ勝利しないうちに亡くなってしまった。永遠に後の英雄たちの涙で襟を濡らさせることとなった。

「出師」:軍隊を出すこと。
「身先死」:討伐に勝たないうちに、先立って亡くなること。
「涙満襟」:涙で襟が濡れること。

孔明が後世の人々の心を打ち、志なかばで亡くなったことを悼むこの詩は、杜甫が敬慕する孔明の廟に詣でた感慨が詠われています。

 参考文献:漢詩と名蹟 鷲野正明 二玄社