俊成卿女家集を書いてまなぶ(4)-北山三十首から-
4.歌意は
歌意:「春の夜遅い時間に、吉野山を尋ねて入って行くと桜の花に月がおぼろげにかすんで趣深い。」
鑑賞:季節の情趣は秋に極まると言われてきたが、春の情趣も捨てがたい。とりわけ桜が咲きほこる吉野山に月が出て、春霞におおわれた光景はおぼろげで深い味わいがある。
俊成卿女はさほど注目されてこなかった「春のあはれ」を「桜」、「霞」と「月」をテーマとして見事に描いてみせた。多分に絵画的な情景が次々と展開して映像が浮かぶようである。
参考文献:平安鎌倉私家集 久松潜一校注 岩波書店


