蘇軾の絵画論を書く(6)その二

6.遠くからでも

釈文:「懸知君能詩
    寄聲求妙語」

現代語にすると「君が詩作に長けていることは遠くからでもわかるよ、この詩を送って返詩を待とう。」

鑑賞:ここでは画の作者がすばらしい作品を描くので、詩も良いものを書くにちがいないという「詩画一如」の考えを表している。蘇軾は『王維の絵を見てみると、絵の中に詩があり、王維の詩を読むと、詩の中に絵がある』と述べている。

蘇軾の画は、心の内面を表現する点で優れていて、絵画の技量よりも表現された精神が評価された。画は士大夫などの教養ある人物が描くものが良いとされ、文人画につながった。

参考文献:中国絵画入門 宇佐美文理著 岩波新書